• グリニッチの取り組み・広報

FDBモブラーとグリニッチ

デンマークから日本へ、豊かさのヒントを届けたい

鳥取県米子市でスタートし、今年で20周年を迎える私たちグリニッチは、ビンテージ家具のリペア・販売から始まり、オリジナル家具の製造・販売、そして北欧ブランドの代理店を務めています。
デンマーク生まれのブランド、FDBモブラーもそのひとつです。

世界には様々なインテリアのスタイルがある中、どうして私たちグリニッチは「北欧」を選ぶのか。
それは、私たちの提案したい「Life Place(=心が満たされる居場所)」のヒントを、北欧の文化・環境、人々の暮らしや考え方に学ぶことができるからです。

グリニッチ創業のきっかけは、代表・今田のある経験にあります。

ある1つのビンテージテーブルを家に迎え入れたことで、お部屋の空間に意識が向き、暮らしを後回しにする仕事中心の生活や、無理を続けることで自分らしさを失くしつつあった内面を見直すようになります。その結果、自分が自分らしくいられる、本質的に心地の良い暮らしを取り戻すことができました。

インテリアが暮らしを豊かにする、その大きな可能性を感じた今田は、ビンテージ家具の仕入れ・販売から会社をスタートします。

アメリカで買い付けをするうちに、選ぶ基準を満たす「質が高い」「素材がいい」「デザインがいい」もののほとんどが、デンマーク家具だということに気づきます。もっと良いものが北欧にはあるはず…と、デンマークへ買い付けに行くようになりました。

デンマークには、どうしてこれほどに良いものがあるのだろう?

北欧へ足を運ぶうちに、家具そのものだけではなく、それが生み出された背景にも興味が向くようになりました。家具の買い付けだけを目的とせず、図書館、学校、公園、住宅など、デンマークの暮らしにまつわる様々な場所を訪れるようになります。

北欧の人はどんな人?どのように考え、暮らしているのか?など、広い視野でデンマークを見ることで知った、シンプルさ、人への配慮、空間の巧みな使い方、スマートな公共施設…

デンマーク家具、そしてそれを生み出す考え方の魅力は、こうしたデンマークの環境にあるのではないか、ということに気づきました。

元々、インテリア自体の追求よりも、インテリアを通して「人が自分らしくいられること」「自己実現ができること」を追求したいという想いがある私たちグリニッチにとって、デンマークという国は、学ぶべきヒントをたくさん持つ魅力的な国だということがわかりました。

 北欧家具を通して、暮らしや心の豊かさのヒントを日本に届けたい。

そうした理由から北欧に目線を移し、ビンテージだけでなく北欧ブランドの扱いもスタートしました。 

FDBモブラーとの出会い

数ある北欧ブランドの中で、どうしてFDBモブラーを選んだのか。

出会いは、今田がかねてより親交深くお付き合いさせていただいている、島崎信先生からのご紹介がきっかけでした。

“日本における北欧デザインの第一人者”である島崎先生とは、北欧家具のセミナーやイベントでご一緒するうちに親交が深まり、FDBモブラーが復刻したときに「面白いブランドがあるよ」とまず初めに今田にお声がけいただきました。

当初、家具の協同組合が作っているブランドかな?程度の浅い認識だったのが、調べてみると「家具を通してデンマーク全体の生活レベルを上げた存在である」ということを知ります。

人間はどうしたら豊かになれるか。ただお金を持っている豊かさではなくて、「人」「文化」「暮らし」のレベルを引き上げることで人を豊かにする。しかもそのミッションが国策であったというFDBモブラーのブランド背景・存在意義が、私たちの興味を強く引きつけたのでした。

FDBモブラーを訪ねてデンマークへ

FDBモブラーの想い、復刻の背景など、もっと多くを知りたい。私たちはデンマークへ渡りFDBモブラーを訪ねました。

「ただ”売りたい”のではなく、デンマークの良いものを伝承したい。」

FDBモブラー・現CEOであるOle氏からの言葉は、まさに私たちグリニッチが日本で成し遂げたいことでもありました。

当時、復刻からまだ間もない頃だったので、代理店として手を挙げた国は私たちの他にはいませんでした。
デンマーク以外での展開を予定していなかったFDBモブラーに対し、自分たちの熱い想いを伝えるための企画書を作成することにしました。

FDBモブラーを利用して「儲けたい」という想いではなく、”豊かさを追求して生まれた”というブランドの背景に惹かれたこと。
他の有名な北欧ブランドに比べて知名度は低いものの、紐解くと「デンマーク家具の原点である」というブランドの魅力を日本に伝え広めたいこと。
イベントや展示会への出展、FDBモブラーの家具を使った体験型施設の構想、数年後のアジア進出など、今後の具体的な計画も提示しました。

また「デンマーク製品をきちんと伝えて欲しい」というFDBモブラーの意向を汲み、本質的なデンマークの魅力をどのようにして伝えるか、という提案だけでなく、そのために何が必要か、というこちらからの要望も伝えました。

2016年、日本輸入代理店に

アプローチから約1年経った2016年、ついにFDBモブラーの日本輸入代理店に任命されました。 

最終決定には、島崎先生からいただいた推薦も大きな決め手でした。

「グリニッチはデンマークの良いものを日本に伝えたいと強く想っているので、日本でFDBモブラーを広める上で信頼できる会社だ」とお墨付きをいただき、かつ”日本における北欧家具の第一人者”である島崎先生がサポートしてくれるということも、FDBモブラーにとって安心に繋がりました。

もう1つの決め手になったのは、FDBモブラーがどうしたいのかをきちんと汲んで、それに沿った提案をしたことです。

本国のニーズは何か、それに対して自分たちは何ができるかをきちんと伝えることで、「自分たちの意向を配慮してくれる会社だ」というFDBモブラーの信頼獲得に繋がりました。

 実際、アプローチから1年の間に、日本の実績のある他ブランドが代理店として手を挙げていることがわかりました。
知名度や規模の面で立場が弱かった私たちが、最終的に代理店として選ばれた決め手には、私たちの配慮あるアプローチがあったのだと思います。

FDBモブラーとグリニッチのこれから

FDBモブラーを通して、これから私たちが伝えていきたいこと。

ひとつは、力を合わせる・協同することの大切さです。

 必要なものをみんなで購入し、分け合い、支え合う。デンマーク生活協同組合連合会の家具部門であるFDBモブラーは、いわゆる「シェアリングエコノミーの先駆け」とも言えるブランドです。

何かをしたいときには力を合わせる。自分一人ではできないことも、誰かの支えがあればできるようになる。

人とコミュニケーションをとり、力を合わせることで、「人が自分らしくいられる」「自己実現ができる」という私たちグリニッチが提案する「Life Place」が叶えられることを、FDBモブラーは教えてくれます。

個々人ではなく、集合体として力を合わせること、そのような環境を作ることの大切さを、FDBモブラーの歴史背景を通して伝えていきます。

もうひとつは、日本が本来持っている魅力を再訴求することです。

日本から生まれたプロダクトや思想、文化は、世界の国々に影響を与えていると言われています。それは北欧・デンマークも、そしてFDBモブラーも同じです。

当時、FDBの売店が街中にはいくつもありました。そこでは日用品が売られている他、売店の奥には図書館があり、さらにその奥には人が泊まれる部屋もありました。それは、人が豊かになるためには物を買えるだけではなくて、知見が必要だということ、そしてそれを支える人が必要だというFDBの考え方を表しています。

そして売店・図書館・見守る人が一体となった組織・仕組みは、実はデンマークよりずっと以前から、日本には存在しているのです。 

世界に誇れるものが、日本にはある。
デンマークは「豊かな国」と言われていますが、歴史を紐解けば、日本も理想的な豊かな国になれる可能性を十分秘めています。

FDBモブラーの魅力そのものだけでなく、そこから読み解ける日本の本来の魅力を伝えていくことも、私たちがFDBモブラーの代理店として果たすべき使命なのです。

(広報 岡田智理)

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